●出産難民とは
出産難民とは、病院出産を希望しながらも希望する地域に適当な出産施設がなかったり、分娩予約が一杯で受け付けてもらえない妊婦の境遇を、行き場を失った難民になぞらえた言葉。
出産と言えば、近代までの日本では、産婆(現助産師)を呼んで自宅で行うのが普通でした。しかし、難産での母子の死亡率が高かったため、地域に出産を取り扱う産院ができるように。
出産時や出産後のリスク回避のため、産院に入院して出産する妊婦が増え、2001年には、日本の出産死亡率は世界最低になりました。
しかし、この安全な出産は産科医の労働基準法を度外視した努力に依存するものであったのです。出産は、計画分娩を除き、妊婦に陣痛がおこれば、外出中でも真夜中でも産科医は対応しなければならないという面があります。
このように労働条件の厳しさということなどから、近年、産科医数が全国的に減少、出産難民となる女性が増えるようになりました。
この産科崩壊がこのまま進むと、40 万人から50万人出産難民がになると、社団法人日本産婦人科医会は警鐘を鳴らしています。
●出産難民について
出産難民とは、出産を希望する地域での出産施設(またはその予約枠)が見つからない妊娠中の女性たち。近年、産科医数が全国的に減少しており、このような境遇に置かれる女性が増えています。
地域によっては「自宅から最も近い産科まで数時間の通院時間を要する」「分娩予約が予定日の6カ月前」「公立病院での出産が抽選になった」などという事態が起こっており、産科医の管理下で医学的に安全な分娩をすることが困難な状況になりつつあります。
出産難民は、特に地方では問題が顕在化しつつあるようで、新聞やテレビなどでも報道されています。
現在少子化が進展し、出産数が減ってきてはいます。しかし、今後団塊世代の医師が引退するため、出産数の減少を上回るペースで産科医が減少、出産難民の数はさらに増えていくことが予想されています。
首都圏でもここ数年、埼玉、千葉、神奈川、山梨などで産科の休止が増えており、東京への出産難民の流入による産科医療体制の危機を指摘する声も。2008年には、世田谷区で年500件の出産を扱っていた関東中央病院が、産科医全員が大学に引き上げるために産科の閉鎖を発表しました。
安心して出産ができるような医療体制が早急に望まれています。